群衆心理と自己の思考

［相談内容］

最近、AIに頼ることへの批判やSNSで見る脊椎反射的な反応、エコーチェンバーによる意見の増幅について悩んでいます。

人々が深く物を考えずに行動や発言をする現象について、どう捉えれば良いのでしょうか？群衆が石を投げつけるような行動は、AIとは関係なく存在しているのでしょうか？

群衆心理 (講談社学術文庫)

ル・ボン『群衆心理』 2022年11月 (NHKテキスト)

イラスト図解 デマの心理学 怖い群集心理のメカニズム

［和尚の回答］

お悩みじゃな、このような事象を見るにつけ。確かに、人間は集団になると個々の思考よりも、群衆心理に流されやすい生き物じゃ。それは、AIの出現以前からの問題でもあるのじゃ。

仏教では、一切の存在は縁起によって成り立っており、何事も互いに影響し合っていると教える。この縁起の教えから、人々がSNSなどで影響し合い、時には無思慮な反応を示すこともあると理解できるのじゃ。

しかし、仏教の教えにもあるように、「中道」を歩むことの重要性を忘れてはならぬ。

AIやSNSを利用する際も、盲目的に依存することなく、自らの思考を持ち、情報を批判的に評価することが肝心じゃ。また、自分の発言や行動が他者に与える影響を常に意識することが大切なのじゃ。

人は容易に群衆心理に流されるが、一人一人が自己の内面に目を向け、自らの行動や言葉に責任を持つことで、より良い方向に進むことができるのじゃ。

群衆が石を投げつける場面に遭遇したときは、その一石を投じる手を止め、なぜそうしたいのか、何がその背後にあるのかを深く考えることが大切じゃ。

最終的に、AIやSNSが私たちの生活に与える影響を理解し、これらのツールを賢く利用することで、より思慮深い社会を築くことができるのじゃ。いつも心に仏の教えを持ち、自己の思考を大切にすることじゃ。