iPad Pro M2の11インチを使っている。買ったときに「これだ」と思ったのは、サイズのバランスだった。大きすぎず、小さすぎず。ブラウジングやメールのチェック、PDFを読む、動画を見る——こういった「ちょっとした作業」に対して、11インチというサイズはとても気持ちよく収まる気がする。
裸のまま片手で持てる、ギリギリのサイズというのも絶妙だと思っている。ケースをつけると途端に重くなるが、裸であれば手持ちでの使用もかろうじて現実的だ。完璧ではないが、許容範囲に収まっている。こういう「ギリギリ許容できる」という感覚は、道具選びにおいてわりと大事なのではないかと個人的には思っている。
ちなみに自分がiPad Proを選んだのは、M2チップのパワーよりもディスプレイの質感が大きな理由だった。ProMotionの120Hzリフレッシュレートは、スクロールしたときのなめらかさが違う。一度慣れると、普通の60Hzに戻るのがつらくなるタイプの変化だと思っている。
Magic Keyboardと合わせると、使い勝手がさらに広がる。膝の上に置いても安定するし、カフェのテーブルの上でも様になる。キーボードカバーを開けば即座にラップトップ風に使えて、閉じればタブレットに戻る。この切り替えのスムーズさは、実際に使ってみないとわからない良さだと思っている。
加えて、MacBook AirのサブモニターとしてSidecar機能で使えるのも地味に便利だ。作業机でMacBook Airをメインに使いながら、iPadに参考資料やチャット画面を出しておく——こういった使い方が自然にできるようになって、仕事の流れが少し変わった気がする。外付けモニターを買わずに画面を増やせるというのは、狭い部屋では特にありがたいと思っている。
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ただ、持ち出すときに「ちょっと重いな」と感じる瞬間は確かにある。Magic Keyboardをつけた状態だと特にそうで、バッグに入れた瞬間に肩が少し身構える感じがする。外出が長くなりそうな日は、持って行くかどうか少し考えてしまう。
そういうとき、ふと「iPad miniがあれば」と思う。軽くて小さくて、サッとバッグに入れられる。電子書籍を読むにも、メモを取るにも、あのサイズは魅力的だ。おそらく年に数回は「iPad mini、どうだろう」と検索している気がする。
iPad miniは手のひらに収まる感覚が、スマホとも違う独特の使い心地がある。漫画や小説を読むのに最適という評判も納得できる。ただ、「それで仕事もできるか」と考え始めると、やっぱり11インチに戻ってきてしまうのだが。
ただ、冷静になると気づく。「荷物を減らしたいからデバイスを増やす」というのは、どう考えても本末転倒だ。iPad miniを買ったとしても、iPad Proを手放すかといえば、たぶん手放さない。結果的に機材が増えて、「どっちを持って行くか」という新しい悩みが生まれるだけかもしれない。
道具を増やすことで解決しようとする発想は、案外うまくいかないことが多いと思っている。問題を解決するはずの道具が、新しい問題を生み出す。これは道具に限らず、生活のいろんな場面で起きることだと感じている。
同じようなことを、スマホでも考えている。今はPixel 6aを使っているが、外出先でiPadを持たずにスマホだけで済ませようとすると、画面が小さく感じる。じゃあ大型スマホにすればいいかというと、おそらくそうではないと思っている。大きなスマホは、それはそれでポケットに入らなくなり、持ち歩くのが億劫になるだろうと想像できる。
どのサイズも、何かを得れば何かを失う。これはデバイス選びの本質的な問題なのかもしれないと思っている。「最適解」というものが存在しないか、あるいは状況によって変わるために、永遠に「あっちにしておけばよかったかな」という気持ちがつきまとうのかもしれない。
スマホ→タブレット→ノートPCという連続した画面サイズのグラデーションの中で、自分がどこに軸足を置くかは、ライフスタイルによって変わる。通勤中に読書メインの人と、カフェで資料を広げる人では、最適なデバイス構成が違うのは当然だ。自分にとって正解を見つけることと、他人の正解とは別の話だと思っている。
グルグルしながら、最終的にたどり着くのは「今持っているものをもっとうまく使えばいいだけでは」という地点だと思っている。iPad Pro 11インチは、自分の使い方にかなりよく合っている。重いと感じるのは、持ち出し方の工夫次第で軽減できることもあるだろう。バッグを変えるとか、持ち出すものを厳選するとか。
新しいデバイスへの欲求は、しばらくすると静まることが多い。それが「物欲の波」というものなのかもしれない、と最近は思うようにしている。次の波が来るまでの間、今手元にあるものをちゃんと使い切っていこうと思っている。それが、道具との正直な向き合い方のような気もしている。
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