Macの購入を考えるとき、多くの人が最新のプロセッサ(SoC)の性能に目を向けがちですが、実際に快適な使用感を左右するのはプロセッサの性能よりもRAMの容量 です。
たとえば、M2MAXとM4MAXの違いを考えたとき、クリエイターでもない限り、プロセッサの進化が体感できるシーンはそれほど多くない のが現実です。それよりも、RAMの不足によるスワップ発生やアプリ切り替え時の遅延 のほうが、日々の作業に与える影響が大きいと感じる人も多いでしょう。
この観点からすると、「最新のチップを選ぶよりも、一世代前のSoCでもRAMをしっかり積んだモデルを選ぶ」 というのは、コストパフォーマンス的にも非常に合理的な選択肢です。
今回は、なぜプロセッサよりもRAMを重視すべきなのか? そして、一世代前の大容量RAMモデルが意外とお得な理由 について詳しく解説していきます。
Appleは毎年のようにM1、M2、M3、そして最新のM4へとチップを進化させていますが、正直なところ、一般ユーザーがその進化を実感できるシーンは限られています。
たとえば、動画編集や3Dレンダリングのようなプロ向けの作業 であれば、確かに新しいSoCのエンコーディング速度やGPU性能が重要になります。しかし、仮にエンコーディング時間が1時間から45分に短縮されたとして、それが日々の作業効率に大きな影響を与えるか? と考えると、多くの人にとってはそこまでのインパクトはないでしょう。
「エンコーディングしている間に別の作業をすればいい」 という考え方をすれば、プロセッサの性能向上はそこまで優先すべき項目ではないのです。
それよりも深刻なのは、日常的な作業の快適さ です。たとえば…
こうした現象の原因の多くは、プロセッサの性能不足ではなく、RAMの不足 です。
Apple SiliconのMacでは、メモリが「ユニファイドメモリ」としてCPU、GPU、Neural Engineがすべて共有する設計 になっているため、RAMの容量がそのまま全体の快適さに直結します。
特に16GBではすぐに限界が来ることが多く、スワップ(SSDを仮想メモリとして使用)が発生すると、SSDの劣化が早まり、さらに動作も遅くなる という悪循環に陥ります。
このような理由から、最新チップを搭載した最低RAMモデル(例:M4MAX+32GB)よりも、一世代前のチップで大容量RAM(例:M2MAX+64GB)の方が長期的に快適に使える というケースが多くあります。
たとえば、以下の2つのモデルがあった場合、どちらを選ぶべきでしょうか?
モデル | チップ | RAM | 価格 |
---|---|---|---|
最新モデル | M4MAX | 32GB | 40万円 |
一世代前モデル | M2MAX | 64GB | 35万円 |
一般的に、最新モデルのほうが高価ですが、実際に使用した際の快適さを考えると、M2MAX+64GBのほうが日々の作業においてスムーズに動作しやすい のです。
もう一つ重要なのが、コストパフォーマンスの視点 です。
AppleのMacは最新モデルが出るたびに価格が上がる傾向があり、特に円安の影響で新しいチップを搭載したMacは高額になりがちです。しかし、一世代前のモデルは値引きがされることが多く、RAMを増やしても価格を抑えられる というメリットがあります。
また、大容量RAMを搭載したモデルはスワップが発生しにくいため、SSDの寿命が延び、結果的に長く使える という点も重要です。
仮に16GBのMacを買って3年で買い替えが必要になった場合と、64GBのMacを買って6年以上使える場合を比較すると、買い替えコストを考えれば、最初に大容量RAMを選んで長く使うほうがトータルで安くなる のです。
Macを選ぶとき、多くの人が「最新のチップが速いから買い替えよう」と考えがちですが、実際の使用感に最も影響を与えるのはRAMの容量 です。
最新のMacを買うのも悪くありませんが、長く快適に使うなら、一世代前のモデルでRAMを増やす選択肢も検討する価値がある と思います!