結婚は、できるだけしておいたほうがいい。
そんなことを言うと、古い価値観だと笑われるかもしれないけれど、
本当は、「誰かと暮らしを共にして、未来を築く」という経験には、
想像以上の価値があると思っている。
たしかに今の世の中、
「結婚しなくてもいい」「一人でも生きていける」って声は多い。
実際そのとおりで、無理して誰かと一緒になる必要はないと思う。
でもね。
一緒に何かを築いていくという経験は、
それだけで一つの「人生の栄養」になる。
恋愛も結婚も、完璧な人を探すものじゃない。
収入、学歴、価値観、性格——
そんな「条件」を深掘りしすぎると、
誰も選べなくなって、
自分も「選ばれない側」になっていく。
本当に大切なのは、
「今どんな人か」よりも、
**「これからどんなふうに一緒に変わっていけるか」**なんだと思う。
もちろん、見極めは大事だよ。
勢いだけで飛び込んで、痛い思いをすることもある。
だからちゃんと見てほしいのは、
・尊重し合えるか
・話し合えるか
・弱さを見せてもいいと思えるか
そんな「一緒に成長できる空気」があるかどうか。
条件ではなく、
未来の可能性で人を見ること。
それはある意味、“先物買い”みたいなもの。
自分がこの先どう育っていくのか。
相手がこの先どう変わっていくのか。
それを信じて、少し勇気を出して一緒に一歩を踏み出すこと。
「最高の時を一緒に楽しめる人」より、
「最低の時にそばにいてくれる人」を選びなさい。
楽しいとき、調子のいいときに笑い合える相手はたくさんいる。
でも、自分がボロボロのときに離れずにいてくれる人は、ほんのわずか。
そういう人が、人生を一緒に歩くにふさわしい人なんだと思う。
それからね。
優しさと弱さを混同している人には気をつけなさい。
本当の優しさは、相手を思いやる強さとセットであるもの。
ただ流されて、自分を保てないまま優しく見える人は、
いざというときに頼れないこともある。
よく見て、感じて、心で見抜いてほしい。
最後に。
決断力と判断力は、あなた自身を守る力になる。
迷ってもいい。悩んでもいい。
でも、ここぞというときに決められる人であってほしい。
決断することは怖いけれど、
それは“自分の人生を生きる”ということでもあるから。
結婚はゴールじゃなくて、スタート地点。
完璧な相手なんていない。
完璧じゃない者同士が、
暮らしの中で少しずつ歩調を合わせていく。
それが、
思ったよりも悪くないどころか、
意外と豊かで、愛おしいものだったりするんだよ。
娘へ。
まだ先の話かもしれないけれど、
いつか誰かを選ぶときが来たら、
この言葉をふと思い出してくれたら嬉しい。