以前、「同じ服を着続けることの難しさ」という記事を書きました。お気に入りの一着を永遠に着続けたくても、服自体の劣化、自分の体型の変化、そして商品そのものの廃盤という三つの壁が立ちはだかる、という話でした。あの記事では「古いモデルを探すか、新しい選択肢を受け入れるか」という適応の姿勢について書きましたが、今日はもう少し具体的に、私が実際にどう服と付き合っているかを書いてみようと思います。
結論から言うと、私の服の着方はかなりシンプルです。気に入った一着が見つかったら、上下それぞれ2着ずつ買います。それを夏用・冬用でひと組ずつ用意する。つまり「同じ服×上下×2着×シーズン(夏・冬)」というのが、今の私の基本フォーマットです。
クローゼットを開けても、そこには似たようなシルエット・似たような色の服がずらりと並んでいるだけで、正直あまり見栄えのするものではありません。ですが、この単純さこそが、私にとっては一番続けやすい形なのだと思っています。
1着だけではなく、あえて2着ずつ買う理由はいくつかあります。
まず単純に、洗濯のローテーションのためです。1着しかなければ、洗濯している間は代わりの服がありません。2着あれば、片方を着ている間にもう片方を洗って乾かせるので、生活のリズムが崩れません。
もう一つは、劣化のタイミングをずらせるという理由です。前回の記事で書いた通り、気に入った服はいずれ廃盤になったり、生地が傷んだりします。同時に買った2着を同じペースで着ていくと、同じタイミングでダメになってしまいそうですが、実際には着る頻度や洗濯の当たり方が微妙に違うので、劣化の進み方にも自然と差が出てきます。片方が先にくたびれてきた頃には、もう片方はまだ着られる。この「時間差」が、次の一着を探す猶予をくれるのだと感じています。
そして、これは少し感覚的な話になりますが、2着という数字は「安心」と「持て余さなさ」のちょうど中間だと思っています。1着だと不安、3着以上だと結局着る服とそうでない服の差が出てきてしまう。自分にとっては2着という数が、一番迷わずに済む落とし所でした。
もう一つ大事にしているのが、1シーズンで服を切り替えないということです。気に入った服を見つけたら、流行がどう変わろうと、基本的には数シーズン、同じものを着続けます。
これは節約のためというより、選ぶという行為そのものを減らしたいからだと思います。毎シーズン「今年は何を着ようか」と考える時間や、新しい服を試着して回る労力は、思っている以上に体力と気力を消耗します。一度「これでいい」と決めた服を数年単位で着続けることで、その分の判断力を他のことに回せる。これは以前の記事で触れたジョブズやザッカーバーグの「同じ服を着る」という選択にも通じる部分があるのかもしれません。
もちろん、数シーズン着続けた結果、廃盤になっていたり、サイズが合わなくなっていたりすることもあります。そうなったら、そこでようやく「次の一着探し」を始める。普段は探さない、必要になったら探す。このメリハリが、私には合っているのだと思います。
春や秋は、夏物と冬物を状況に応じて組み合わせて乗り切っています。厳密に「春用」「秋用」を別に用意するのではなく、夏の上下と冬の上下をベースに、その日の気温で調整する形です。四季すべてに専用の服を揃えるよりも、管理する組み合わせの数がぐっと減るので、これも「選ばなくて済む仕組み」の一つだと考えています。
結果として、私のクローゼットの中身は「夏用の上下×2着」と「冬用の上下×2着」、合計でもかなり少ない着数に収まっています。この少なさが、朝の身支度を早くしてくれるだけでなく、収納スペースや管理の手間も減らしてくれていると感じています。
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このやり方に変えてから一番実感しているのは、朝の身支度にかかる時間と気力の変化です。以前はクローゼットの前で「今日は何を着ようか」と数分立ち尽くすことが珍しくありませんでした。天気、予定、気分、洗濯の状況……考える材料が多いほど、朝から小さな決断疲れを抱えることになります。
今は違います。今日が夏なら夏用の上下、冬なら冬用の上下。2着のうちどちらが洗濯済みかを見て、そのまま着るだけです。選ぶという行為がほとんど発生しないので、朝の時間を他のことに使えるようになりました。些細なことのようですが、これが毎日続くと、積み重なる負担の差はそれなりに大きいのだと感じています。
ただ、この「同じ服×上下×2着×シーズン」というやり方が、誰にとっても正解だとは思っていません。冠婚葬祭や仕事の場面によっては、これだけでは対応しきれないこともありますし、おしゃれを楽しみたい気持ちが強い人にとっては、むしろ窮屈に感じられる方法かもしれません。
また、前回の記事でも書いた通り、どれだけ気に入った服でも、いずれ買えなくなる日がやってきます。そのときは、また一から「次の定番」を探すところからやり直しになります。完璧な仕組みというよりは、「今のところ、自分にはこれが一番ラクだった」という、あくまで暫定的なやり方なのだと思っています。
それでも、服選びに悩む時間を減らし、浮いた分の労力を他のことに使えている実感はあります。これからも、廃盤や体型の変化に出会うたびに少しずつ更新しながら、この「2着ずつ」のスタイルを続けていければいいなと思っています。
