バンジージャンプに行ってきた。地味に念願だった。「いつかやってみたい」と思いながら、何年間もそのままにしていたやつだ。なにかのきっかけがないと動かない、という自覚は以前からある。「怖いし、危なそうだし、別に今じゃなくていい」と先送りにし続けていた。今回はそのきっかけが巡ってきたので、行くことにした。
場所は鷲羽山ハイランド。岡山県倉敷市にある遊園地で、瀬戸内海を望むロケーションにバンジージャンプのプラットフォームが設置されている。高さは51メートル。その数字を事前に聞いていたはずなのに、実際に上るまではあまりピンとこなかった。数字として知っていることと、体でわかることはまったく別の話なのだと、この日あらためて教わった気がする。
この日は家族も一緒にいた。嫁サンが見ている前での挑戦だ。逃げにくい状況だった。「頑張って」という空気が漂う中、とりあえず受付を済ませた。ハーネスを装着してもらうとき、「ああ、これはもう引き返せないな」という感覚が一気に高まった。装備というのは、覚悟を可視化してくれるものだと思う。装着されるたびに、言い訳の余地が少しずつ消えていくようだった。
鷲羽山ハイランドのバンジーは、高さ51メートル。国内でも比較的本格的な部類に入るスペックだと思う。料金は確認してから行ってほしいが、体験としてはかなり濃密なものになる。当日は混んでいなかったので、受付からプラットフォームまでわりとスムーズに進んだ。スムーズに進むのが、かえって怖かった。「気づいたら跳ぶ番になっていた」という状況に、じわじわと体が反応し始めた。
プラットフォームへの階段は、想像以上に長かった。1段1段上るたびに、地面が遠のいていく。見上げると空があって、見下ろすと地面が小さくなっていく。あの中間の感覚は、日常生活ではなかなか経験できないものだと思った。
途中、下で見ている家族に手を振った。笑顔で。完全に虚勢だった。振り返ってみると、あの手振りは「大丈夫アピール」の中でもかなり上位に入る強がりだったと思う。でも不思議なことに、手を振っている間だけは気持ちが少し落ち着いた気がした。何かをしていないと、怖さだけに意識が向いてしまうのかもしれない。
上り切ったところで、スタッフの方に装備の最終確認をしてもらった。「怖いでしょ?」と聞かれた。「怖いです」と即答した。考えるより先に言葉が出た。スタッフの方が少し笑ってくれたのが、あのとき唯一の救いだったと思う。笑いが出るということは、まだ正気だ、という確認にもなった。
プラットフォームの端に立ったとき、遠くに瀬戸内海が広がっていた。景色は本当にきれいだった。でも景色を楽しむ余裕はほとんどなかった。気づいたら自然に手が合わさって、遠くを見ながら深呼吸していた。自分でも「何やってるんだ」とは思ったが、あれ以外に落ち着く方法がなかった。合掌しながら深呼吸というのが、あのとき自分の体が選んだ儀式だった。
|
Amazon GoPro HERO アクションカメラ(国内正規品) 4K動画・手ブレ補正搭載。バンジーやスカイダイビングなどアドベンチャーシーンの撮影に最適。コンパクトで装着しやすい。 |
Amazon GoPro チェストマウント ハーネス Ver 2.0(国内正規品) 胸部装着で主観視点の迫力映像が撮れる公式マウント。バンジーや登山・バイクなど体を使うアクティビティに対応。 |
Amazon Insta360 GO 3 128GB アクションカメラ 重さ35gの超軽量ウェアラブルカメラ。クリップ/マグネット装着に対応し、非日常の瞬間を邪魔にならず記録できる。 |
※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
カウントダウンが始まった。「3・2・1…バンジー!」とスタッフの声が聞こえた瞬間、体が前に出ていた。思考より先に体が動いたという感覚だった。あのとき頭の中で何を考えていたか、正直ほとんど覚えていない。「とにかく前に」という衝動だけがあった。
落下の感覚は、恐怖とは少し違った。「怖い」というより「押し出された」に近い。次の瞬間には視界が揺れて、ロープが伸びきって、体が宙に浮いた。数秒の出来事が、すごく長くも短くも感じた。地面が近づいてきて、また遠ざかる。その往復が落ち着いたとき、「終わった」という達成感より「あれ、終わったのか」という呆気なさのほうが先にきた。
地上に戻ってから、嫁サンが言った。「割とすぐ跳んだね」。たった一言だったけど、何よりうれしかった。あの長い階段も、てっぺんの合掌も、深呼吸も、ぜんぶひっくるめて「すぐ跳んだ」という事実だけが残った。それがうれしかった。
自分を誇らしく思える瞬間は、案外こういうところにあるのかもしれない。大きな達成じゃなくていい。「やろうと思ったことを、怖いままやった」という小さな事実が、なぜかその日一日、ふわっとした誇らしさを保たせてくれた。帰り道の気分が、妙に良かった。特別なことは何もしていないのに、自分のことが少しだけ好きになれた日だったと思う。
バンジーで気づいたことを言語化しようとすると難しいが、一つ言えるのは「恐怖を感じながらも体が動く」という経験をしたことだと思う。恐怖を消してから動くのではなく、怖いままで体が前に出る。それは頭で考えてわかることではなくて、体で経験してはじめてわかる種類のことだと思う。
日常の中で「怖くてできない」と感じることは多い。仕事でも、人間関係でも、何か新しいことを始めようとするときでも。そういうとき、バンジーで体が前に出た記憶が、何かの助けになるかもしれない——そうであればいいなと思っている。怖さと一緒にいることに、少し慣れた気がした一日だった。
マジで1回はやってほしい、と感じた。理由は「爽快感」でも「スリル」でもなく、「自分が怖いまま前に進んだ」という記憶が残るからだと思う。その記憶は、日常のどこかで生きてくる気がする。「あのとき跳べたんだから」という根拠として。根拠というより、体の記憶として。
怖かった。でも跳んでよかった。自分をちょっと誇らしく思えた日だった。みなさまもぜひぜひ。We can fly!
|
Amazon GoPro HERO アクションカメラ(国内正規品) 4K動画・手ブレ補正搭載。バンジーやスカイダイビングなどアドベンチャーシーンの撮影に最適。コンパクトで装着しやすい。 |
Amazon GoPro チェストマウント ハーネス Ver 2.0(国内正規品) 胸部装着で主観視点の迫力映像が撮れる公式マウント。バンジーや登山・バイクなど体を使うアクティビティに対応。 |
Amazon Insta360 GO 3 128GB アクションカメラ 重さ35gの超軽量ウェアラブルカメラ。クリップ/マグネット装着に対応し、非日常の瞬間を邪魔にならず記録できる。 |
※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
