想像して読んでください、伝説の実況王・古舘伊知郎さんのあの声で!
午後2時13分、事件は起きた。
今日も平和な我が家。
柔らかい日差しが差し込む廊下を、もふもふの三毛猫が駆け抜ける!!
その名も——みたらしッ!!
白・茶・黒が織りなす、天然アートのような三毛模様!
見た目はプリティ、動きはシャープ、
その毛並み、まさに“もふもふ界の至宝”!!
彼女は今日も気まぐれに、廊下をダッシュ!
ダッ、ダダダッ、ダッ——!!
だが!だがしかーし!!
「ズルッ!!!」
聞こえましたか!?この音!?
フローリングの罠に滑り込み、まるでアイスリンクの上を駆け抜けるフィギュアスケーターのように…
いや!“猫界の羽生結弦”みたらしが!想定外のスライディングッ!
オレの胸に走る戦慄!!
「おいおい、なんかおかしいぞ…?」
「歩き方に、しなやかさがない!重心が…崩れてる…!」
理由は明白!
それはまさに——指毛!
肉球を完全に覆い隠す、白く伸びきった毛毛毛毛毛ッ!
まるでジャングルの密林のごとし!その奥にぷにぷにが見えない!!
オレ、立ち上がる!!
すぐさま検索。
「猫 滑る 指毛」「猫 フローリング 事故」「猫 静音カッター おすすめ」
Amazonの海を泳ぎ、選び抜いた神器——
その名も**“猫用指毛バリカン”!**
レビュー評価★4.5!
「うちの子も嫌がりませんでした」!?
その言葉を信じ、ポチッと1クリック、迷いなき正義の行動ッ!!
到着したカッターを手に取り、飼い主の心が震える!
「これで…これでみたらしの滑りを止めるんだ…!!」
「オレは…肉球のために、戦うんだ!!」
震える指でスイッチを入れると、「ブィィィン……」という微かな咆哮。
小さいけれど確かな鼓動。これは——戦いのゴングだッ!!
さあ!さああ!!いざ開幕ッ!!
みたらしはストーブの前でお昼寝中。
オレ、静かに接近。
右手には指毛バリカン。左手には、彼女の前足。
まるで爆弾処理班のごとき緊張感!
なぜなら相手は、気まぐれ界の横綱・猫!!
かわいさと牙のギャップで人間を狂わせる、ふわふわの破壊神だッ!!
猫の前足をそっと持ち上げた…その時ッ!
🐱「……………それ、なに持ってんの?」
🐱「いや、なんか音してるし。しかも前にも聞いたことある気がするし」
🐱「まさかとは思うけど、また毛、刈るつもりじゃないだろうな?」
緊張が走るッ!!
指毛カッター vs 三毛の本能!!
さぁ、行くぞッ!!
第一刀、前足の内側ッ!!
するりと抜ける白毛、顔を出すぷにぷにピンクの肉球!!
オレ「おおおおおおお!!!でたぁぁあぁ!!肉球!!!」
実況席総立ち!!(※1人)
「ブィィィィン……」
鳴り響く低周波音ッ!!
電動の刃が、ふわ毛の隙間を滑り込む…!
静かに、しかし確実に!——みたらしの指毛を削る!
そしてその瞬間——
🐱「なに!?その音、どこかで聞いたことがある…」
🐱「嫌な予感がする……これはヤツだ!毛を刈るヤツだ!!」
そうです!
猫の第六感が叫んでいるッ!
「毛を刈る人間は、信用できねぇ!!」と!!!
前足は、なんとか攻略に成功したオレ!
だが——地獄はここからだッ!!
後ろ足ッ!!
ここはまさに、猫のテリトリー!絶対防衛ライン!!
みたらしの瞳に宿るのは——不信感ッ!!
🐱「おいお前、やっぱり毛刈り野郎だったんじゃねーか」
🐱「私は信じてたんだぞ。今までのナデナデ、全部伏線かよ…」
🐱「ココは触るなって言ってるだろうがァアアッ!!」
🐱「プライドがあるんだよ!猫にもなァッ!!」
みたらし、前足でガード!後ろ足でキック!
身体をねじり、フロントフリップの構えッ!!
飼い主の手は宙を舞う!
指毛バリカン”はかろうじて無傷!だが!飼い主の心がッ!!
カットが終わっても、距離が縮まらない。
その手が近づくたび、するりと身を翻し逃げていく。
まるで——
まるで恋人に裏切られたかのような目ッ!!
ズタズタに引っかかれて、崩壊寸前!!
「……もういい、今日はここまでにしておこう。」
そう呟く飼い主の背中は、まるで負けを認めたボクサーのように重く、静かだった…
そして…後ろ足戦争に敗れた飼い主は、静かに引き下がった。
だが!それは敗北ではなかった!!
それはまさに、“再戦への布石”…
“一時撤退という名の戦略的間合い”だったのだッ!!
そして数日後。
ついに訪れた!
奇跡の寝落ちタイム!!
みたらし、ぽかぽか日差しの中で完全脱力。
前足ピクピク、後ろ足ぱっかーん。
これ以上ない油断ポーズ!!
チャンス到来ッ!!飼い主、息を殺して接近ッ!!
「今しかない……今しかないんだ!!」
「この勝負、今度こそ……終わらせる!!」
右手に、あの伝説のバリカン!
スイッチオン!!低周波が低く響く——!
「ヴゥゥゥゥ……」
まるで戦場を包むドラムロール!!
バリカンの刃が、そっと……静かに……
ふわふわの密林の奥地へと突入する!!
飼い主、息を止める。
汗がにじむ。
刃先は——ぷにぷにのわずか数ミリ横!!!
震える手で、一本ずつ、迷いなく…慎重に…しかし力強く!!
斬る!抜く!削ぐッ!!
毛が舞う!肉球が現れる!
まるで遺跡の発掘作業のように、丁寧にッ!!
美しきピンクの地層が、次第にその姿をあらわにしていく!!
そしてッ!!!
最後の一筋が刈り取られた、その瞬間——
「決まったァァァアアアアアアアアアーーーーーーッッ!!!!!」
(※心の中でゴング10連打)
後ろ足、完全勝利!!全指毛、完全露出!!!
みたらしはまだ気づかない。
いや、まだ“気づかされていない”のだ。
後ろ足、制覇!!
全指毛、完全整備完了ッッ!!!
そして数日後!
廊下に再び、その音が鳴り響く!!!
ダッ、ダッ、ダダダダダダダッ!!!
みたらし!!帰ってきた!!
その脚取りはまるで“滑らない伝説”の再来ッ!!
🐱「フン、当たり前でしょ。私、三毛の女王よ?」
🐱「滑らないってことは、つまり……」
🐱「あの毛刈り野郎の仕業ってわけね……認めたくないけど……」
飼い主、奥歯を噛みしめながらつぶやく!
「みたらし……分かってるんだろ……お前も……」
彼女は振り返らない。
だが、たしかに足取りは軽い。肉球は地面をとらえ、ピタッと止まる!
滑らぬ三毛!!
魂のランディングが、今、ここにある!!
実況席、スタンディングオベーション!!!
いや、観客一人だけど、心は万雷の拍手ッッ!!!
そして今——
みたらしはまた、少しずつ……ほんの少しずつ……
“あの忌まわしき白い密林”を復活させつつある!!
ふわふわ……ふわふわ……
まるで何もなかったかのように、指の隙間に広がっていく柔らかな毛!!
肉球にじわじわと侵食する、無音の反乱軍ッ!!!
これは……宣戦布告ッ!!
指毛が!再びッ!滑りの世界へ導こうとしているぅぅぅッ!!!
「また、戦いの時が近づいている……!!」
肉球の自由のために!
ぷにぷにの気品を守るために!!
そして、すべらぬ三毛の名誉のために!!!
オレは……
オレは……
また刈るッ!!!!!
たとえッ!!!
「近寄るな」の目で刺されようとも!!
「くるんじゃねぇよ」のとお手々をぎゅっと曲げて拒まれようとも!!!
「あいつ絶対またバリカン持ってる」の顔で見られようともォォッ!!!
肉球を守るために!
すべらぬ三毛の未来のために!!
俺は、また刈る!!!!!
オレは立ち上がる!!
何度でも立ち上がるッ!!!
右手にカッター!
左手に覚悟!
背中にぷにぷにへの愛と執念を背負って!!!
飼い主はまた、指毛バリカンを手に取る……
それがッ!!
それこそがッ!!
ぷにぷにを守る者の宿命だからだアアアアアアアーーーーーーーッッッ!!!!