10年前、愛車だったユーノスロードスター(NA)を手放したとき、正直言って心にぽっかりと穴が開いた気がしました。ロードスターは単なる車ではなく、ドライバーとの対話を楽しむ「相棒」でした。あの軽快なハンドリング、風を感じるオープンドライブ…。それが生活の一部だったからこそ、手放したときの喪失感は大きかったんです
そして10年後、再びロードスターのオーナーになる日が来ました。今回は現行モデルのND。手にしたときの感動は言葉になりませんでした。今回は、NAオーナーとしての思い出と、NDを選んだ理由、そして実際に乗って感じた進化について語りたいと思います。
私が初めてユーノスロードスター(NA)に出会ったのは30歳代の頃。当時、オープンカーという存在自体が憧れで、運転席に座った瞬間、「これだ!」と思いました。1トンを切る軽量ボディ、リニアなハンドリング、そして非力ながらも気持ちよく回るエンジン。この車と過ごした時間は、まさに人生の宝物でした。
特に忘れられないのは、北海道でのドライブ。大自然の中でホロを開けて走ったあの体験は、私にとって特別な記憶です。風の匂い、エンジン音、そして「運転している楽しさ」が一体となった瞬間でした。
しかし、生活環境の変化や車の維持費の問題で、泣く泣く手放すことになりました。あのときの悲しみを思い出すと、今でも少し胸が痛みます。
NAを手放してから10年。SUVが主流になり、スポーツカーの市場が縮小する中で、ロードスターは存在感を放ち続けています。特にNDのデザインに心を奪われました。クラシックなNAの面影を残しながらも、モダンで洗練されたスタイリング。特にフロントマスクの鋭い目つきは、「走り」を予感させてくれます。
購入を決める際、私の背中を押したのは「ライトウェイトスポーツカーの神髄を守り続けている」という点でした。NDは、ロードスターのDNAを継承しながらも、現代のテクノロジーを取り入れて進化しています。軽量アルミニウムボディや、スカイアクティブ技術を採用したエンジンは、まさにロードスターらしさと現代性の融合と感じました。
初めてハンドルを握った瞬間、「ロードスターは帰ってきた」と感じました。ハンドリングの軽さと正確性、そしてオープンドライブの解放感。これぞ私が求めていたものだと再確認しました。
NAと比べると、NDは全体的に「洗練された」印象があります。特に、乗り心地が格段に良くなっている点が驚きでした。NAでは路面の凹凸をダイレクトに感じる場面が多かったのですが、NDはしなやかにいなしつつ、ドライバーとの一体感はそのままです。
また、ダウンサイジングした1.5Lエンジンの力強さには感心しました。NAの1.8リッターエンジンと遜色がないどころか、ダウンサイジングを感じさせず、高回転域ではスポーツカーらしい刺激を味わえます。
NAからNDへの進化を体感して、ロードスターが30年以上にわたって愛され続けている理由が改めて分かりました。それは、「運転の楽しさ」という普遍的な価値を守り抜いているからです。時代が変わり、自動運転や電動化が進む中でも、「ハンドルを握る喜び」を大切にしているのがロードスターです。
NDを手にしたことで、私の車生活は再び輝きを取り戻しました。この10年間で、車に対する考え方も少し変わりました。昔は「速さ」や「目立つこと」を求めていましたが、今は「運転する喜び」そのものを追求したいと思うようになりました。
これからの週末は、NDとともに日本の美しい風景を巡りたいと思っています。そして、再び手放すことがないよう、大切に乗り続けていこうと思います。
ロードスターNDに再会できたことに感謝しつつ、これからも楽しむ心を忘れずに、日々のドライブを満喫していきたいと思います。