はじまりは今から20年以上昔。
1997年に発売されたAdobe Illustrator 7を使い始めて以来、幾重にもバージョンを重ねたIllustratorで数多のチラシ・DMその他の制作に使用してきました。
そして、最近衝撃の事実に遭遇しました。
Illustratorの根幹となる「ベジェ曲線」という言葉を、私はずっと「ペジェ曲線」と間違えて覚え、そして使い続けていたのです。
この間違いに気づいたのは、先日たまたま古い資料を読み返している時でした。
それまで、Illustratorを使ううえで、この言葉がそれほど頻繁に出てくるわけではなかったのですが、それでも時折この用語を使っていた自分を思い返すと、衝撃ともどかしさが交錯します。
私がこの言葉を初めて知ったのは、もしかすると誰かの口から聞き取ったものかもしれません。
その時に「ベジェ」と「ペジェ」の聞こえが似ていたことが、この長きにわたる誤解の始まりだったのでしょう。
さらに、Illustratorのような専門ツールを使いこなす過程で、特定の用語の正確な発音や綴りを確認することよりも、その機能をどう使いこなすかが優先されがちです。
実際、ベジェ曲線の操作方法や、それを使ってどのように美しいデザインを作り出すかはしっかりと実務で使いこなしていたものの、その根幹をなす用語については無頓着でした。
この誤解が明らかになった今、感じるのは軽い恥ずかしさとともに、ある種のノスタルジーです。
数十年間、間違った用語を使っていたことは事実ですが、それが示すのは、長い間にわたってIllustratorとともに歩んできた、デザインへの情熱と、技術の進化に適応し続ける姿勢かもしれません。
確かに、「ベジェ曲線」と正しく言えなかったことは、笑い話ですが、その背後には変わらぬ熱意と、常に学び続ける心があります。
最終的に、この小さなエピソードは、技術や用語の正確性も重要ですが、それ以上に大切なのは、クリエイティビティを追求し続ける姿勢と、過ちを認め、笑い飛ばすことができる謙虚さかもしれません。
私はこの経験を通じて、正確さとは別の種類の知恵と洞察を得たように思います。そして、これからも「ベジェ曲線」を正しく、そして自信を持って使い続けていきますが、この間違いを犯した数十年間も、決して忘れることはありません。