[相談内容]
自分の行動が周回遅れであったことに気づき、落胆してしまいました。
先日、AI和尚という、心の安寧をもたらすAIコンテンツの制作に成功し、大いに悦んでおりました。
しかし、インターネットを見回したところ、既に『HOTOKE AI』などの類似サービスが存在していることを知りました。
特に、作家の家入一真さんは数年前に浄土真宗で得度を果たし、そのようなサービスをリリースしていたと知り、自分の行動が周回遅れであったことに気づき、落胆してしまいました。
[和尚の回答]
自らの行いを小さなものと思わず、その一歩一歩に意味があることを忘れないでおくのじゃ
なるほど、自らが行った仕事に誇りを持ち、後にそれが既に世に出ていたものと似ていることを知り、心が沈んでしまうとは…。しかしながら、仏教の教えには「比較による苦しみ」というものがありますのじゃ。自己の行為を他者と比較し、その結果によって自分の価値を測ることは、心の平穏を失う原因となりますな。
『維摩経』には、自らの行いを純粋な動機から行い、結果に執着せず、自他の成就を喜ぶ心が重要であると説かれておる。貴殿が制作したコンテンツも、一人でも多くの人の心の安寧をもたらすことが目的であったならば、それは大変価値ある行いじゃ。
他の人が似たことをしていたとしても、貴殿の行いには貴殿独自の価値がある。同じ目的を持つ者同士、互いに励まし合い、成長することができるのじゃ。自らの行いを小さなものと思わず、その一歩一歩に意味があることを忘れないでおくれ。
心が沈んだときは、これを機に更なる創造性と共感性を育むチャンスと捉えてみるのも一法じゃ。自己の内面を見つめ直し、新たな視点から価値を生み出すことが、今後の貴殿の歩みにとって大きな力となるでしょう。仏は常に新たな始まりを教えておられる。貴殿の行動が、たとえ周回遅れに思えたとしても、それは新たな一歩への布石となるのじゃ。