中高年になって、友達がほとんどいないことに悩んでいます。
いい歳をして友達の数が少ない・・・というか、ほぼいません 。
日常的に話すのは妻だけです。
そもそもあまり他人とおしゃべりをしたりするのが好きではなく、他人との会話にイライラしてしまうことが多いのですが、時には深い孤独を感じるという矛盾に苛まれています。
老後が寂しいものになるのではないか、妻に依存するだけの存在になってしまうのではないかと不安です。
[和尚の回答]
人との繋がりもまた、強い縁があれば自然と生まれるもの。無理に多くの友人を作る必要はないのじゃ。
悩みを打ち明けてくれてありがたいのじゃ。人は一人ひとり異なる花のようなもの。それぞれの色や形、香りがあり、すべてが美しいのじゃ。おしゃべりを好まない、人と深く関わるのが苦手なあなたも、美しい花の一つなのじゃ。
お話を伺うに、「中道」という教えがお役に立つかもしれぬ。これは極端を避け、調和とバランスを保つ道を指す。苦行と享楽の間の平衡を意味するのじゃ。人との交わりにおいても、必要以上に距離を取ることなく、また過度に依存することなく、適度な関係を保つことが大切じゃ。
仏教では、すべての存在は縁によって結ばれていると教えておる。人との繋がりもまた、強い縁があれば自然と生まれるもの。無理に多くの友人を作る必要はないのじゃ。大切なのは、心が安らぐ縁を大切にすることじゃ。少数でも、心を通わせられる人がいれば、それで十分なのじゃよ。
「縁起」という教えも参考になるじゃろう。これはすべての存在が他のものとの因果関係によって生じるというものじゃ。人との出会いもまた、無数の縁によって結ばれている。少ないと感じる人間関係も、その中で意味ある縁を大切にすることが肝要じゃ。
さみしさを感じる時は、自分自身と向き合う良い機会でもあるのじゃ。自分の内面を深く掘り下げ、何が本当に心に響くのかを見つめ直してみるのじゃ。瞑想や読書、散歩など、一人の時間を豊かにする活動に取り組むことも、心の平和を得る一つの道じゃ。
老後の生活に不安を感じるのも無理はない。
しかし、今から心と身を整え、好奇心を持って新しいことに挑戦し続けることで、老後も充実したものにすることができるのじゃ。
「無常」という教えも心に留めておくと良い。すべての存在は常に変化し、恒久的なものはない。今の状態もまた変わりゆくものじゃ。だからこそ、今この瞬間を大切に生きること、そして変化を恐れず受け入れることが、心の安寧へとつながるのじゃ。
妻との関係に依存することへの不安もわかるが、お互いを深く理解し、支え合う関係は、人生において大変貴重なものじゃ。その中で自分自身の趣味や興味を追求することも忘れずに、豊かな老後を築いていくことができるじゃろう。
結局のところ、人生は自分の心持ち次第で変わるものじゃ。
孤独を恐れず、自分のペースで少しずつ人との繋がりを築いていけばよい。そして、人との関わり合いにおいては、質が量に勝るということを忘れずにおくのじゃよ。
孤独を感じることは誰にでもある。だがそれを乗り越え、自分自身と向き合い、成長する機会とすることで、人生はより豊かなものになるのじゃ。
お悩みを抱える中でも、一歩ずつ前に進む勇気を持っておられるあなたに、仏の慈悲が常にありますように。